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労災で通院費は補償される?通院交通費が補償される条件や請求方法とは

2022年04月18日労災について

こんにちは。神奈川県福祉共済協同組合の蝦名です。

業務や通勤に起因するケガや病気に対して適用される「労災保険」。

治療費や休業時の補償はイメージにあると思いますが、実は通院にかかる交通費も補償対象です。

ただし、通院先や交通手段については一定の要件を満たす必要があります。

今回は、労災保険で通院費が補償される条件や請求方法について解説していきます。

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労災で通院費は補償される?通院交通費が補償される条件をチェック

労災保険では傷病労働者が診療を受けるために電車、バス、自家用車等で医療機関へ赴くために要した費用について、政府の必要と認める範囲で通院交通費(移送費)の給付を受けることができます。

通院交通費が補償されるには、次の2つの条件を満たしている必要があります。

条件1:通院距離が片道2km以上であること

基本的に「被災労働者の居住地または勤務先から原則片道2km以上」の通院に対して、通院交通費が支給されます。

ただし通院距離が2km未満であっても、傷病労働者の傷病の程度が重度であるなど、交通機関を利用しなければ、通院することが著しく困難だと認められる場合は、支給の対象となることがあります。

条件2:最寄りの労災指定医療機関へ通院すること

通院交通費の支給対象となる医療機関はどこでも認められるのではなく、「被災労働者の居住地または勤務先から最寄りの労災指定医療機関」である必要があります。

  • 同一市町村内にある労災指定医療機関
  • 同一市町村内に労災指定医療機関がない、または隣接する市町村内の労災指定医療機関の方が通いやすい場合は、隣接する市町村内の労災指定医療機関
  • 同一または隣接する市町村内に労災指定医療機関がない場合は、それらの市町村を越えた最寄りの労災指定医療機関

「労災指定医療機関」とは都道府県労働局長の指定を受け、傷病労働者に法で定められた療養(補償)給付を現物給付する(医療行為を行う)医療機関のことをいいます。

被災労働者の居住地または勤務先から最寄りの労災指定医療機関を利用し、かつ傷病の治療に適した診療科を受診した際の通院交通費のみ、補償の対象となります。

例えば、業務中に負ったねんざを整形外科で治療している期間内に、風邪を引いて内科を受診したとしても、補償の対象となるのはねんざの治療のために整形外科に通院した際の交通費のみです。

療養(補償)給付と同じく、労災による傷病が完治した、または症状が安定してそれ以上は治療による回復が見込めない「治癒」の状態になると、通院交通費の補償も終了します。

ただし、脊髄(せきずい)損傷など20種類の傷病に関しては「アフターケア制度」を利用することにより、再発や後遺症に伴う新たな病気の発病を防ぐために必要な診療などを受けることができ、その際の通院交通費についても支給の対象となります。

「アフターケア制度」を利用するには、傷病が治癒した後の一定期間に、労働局で健康管理手帳の交付を申請することが必要です。

申請を行うことができる期間は、対象となるケガや病気によって異なります。

詳しくは厚生労働省のホームページ(『アフターケア』制度のご案内)をご確認ください。

労災で補償される通院費は?補償される交通費・されない交通費

通院交通費の支給額は、交通手段によって異なります。

また、必ずしも全ての交通手段が補償対象となるわけではありません。

ここでは、補償対象となる交通手段と労災では補償されない交通手段について、ご紹介していきます。

労災保険の補償対象となる交通機関

補償が認められるのは、次の2つの交通手段です。

  • 公共交通機関(電車・バスなど)
  • 自家用車

公共交通機関なら実際の運賃が支給されます。

自家用車の場合は「1kmあたり37円として算出した金額」が支給されますので、実際の走行距離を把握しておく必要があります。

請求方法についてはこの後解説しますが、どちらの場合も請求時に領収書の提出は必要ありません。

また、通院に介助者が必要、自力で自家用車を運転できない、といった事情があれば、本人だけでなく介助者や運転者の交通費も給付の対象となります。

労災保険では補償されない交通機関

原則として、タクシーによる通院は補償の対象外となります。

タクシー代は他の交通手段と比べ高額であるため、傷病の程度や立地など、タクシーを利用しなければならない状況であったのか、医学的見地などからみて、その必要性を労基署が認めた場合のみ対象となります。

次のようなケースではタクシー利用の必要性が認められることもあります。

  • 利用できる公共交通機関、自家用車などがない
  • 傷病の状態から公共交通機関の利用は厳しいと医師が認めた場合

タクシー代を労災に請求する場合は必要書類に加え、タクシーの領収書の添付が必要です。

また、「労働基準監督署が妥当と判断した分のみ」認定されますので、どうしてもタクシーを利用しなければ通院できない場合は、事前に労基署や医師へ相談することをおすすめします。

労災で通院費を請求する方法や必要書類も確認!

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通院交通費を請求する手続きには、次の2つの書類を所轄の労働基準監督署長へ提出します。

  • 療養の費用請求書
  • 通院移送費等請求明細書

通院交通費を支出した日ごとに請求権が発生し、その翌日から2年が時効となりますので、注意しましょう。

それぞれ記入事項や添付書類について解説します。

療養の費用請求書

業務災害・複数事業要因災害の場合は「療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の費用請求書」(様式第7号)、通勤災害の場合は「療養給付たる療養の費用請求書(様式第16号の 5)」を使用します。

それぞれ厚生労働省のホームページからダウンロード可能です。

通院交通費を請求する場合は上記様式の「(ヘ)移送費」の項目に次の情報を記入します。

  • 通院区間
  • 片道または往復の移動距離
  • 通院回数
  • 通院費の合計

詳しくは厚生労働省のホームページの「療養(補償)等給付の請求手続」に記載された記入例をご参考ください。

通院移送費等請求明細書

通院移送費等請求明細書は、労働基準監督署ごとに様式が異なります。

いずれも、交通手段・通院区間・通院回数・請求金額などの記入が必要です。

また、タクシーを利用した場合には「領収書」や「医師の証明」、自家用車の場合は「通院経路を記載した地図」の添付が求められます。

必要書類については、所轄の労働基準監督署へ問い合わせて確認してください。

労災では通院にかかる交通費も補償される!

労災保険では、条件を満たせば治療費だけでなく、通院費も補償されます。

補償の対象となるのは、次の2つの条件に当てはまる場合です。

  • 通院距離が被災労働者の居住地または勤務先から片道2km以上である
  • 通院先が被災労働者の居住地または勤務先から最寄りの労災指定医療機関である

また、利用できる交通手段にも制限が設けられています。

支給の対象となる交通手段は、電車やバスといった公共交通機関、または自家用車です。

タクシーは基本的に対象外ですが、利用の必要性が認められれば、利用にかかった費用が支給されます。

申請には、通院区間や通院回数を記入した「療養の費用請求書」「通院移送費等請求明細書」の2つを、所轄の労働基準監督署長へ提出することが必要です。

さらに、タクシー利用のなら領収書や医師の証明、自家用車なら経路を示した地図の添付が求められることもあります。

詳しくは社労士または所轄の労働基準監督署へ確認してください。

また、通院に関する費用の補償を手厚くしたい場合は、傷害補償の利用もおすすめです。

神奈川県内の中小企業や個人事業主の方は、神奈川県福祉共済協同組合の傷害補償共済Ⅲもぜひご参考ください!

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