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2021年11月29日
2023年11月06日労災について
こんにちは。神奈川県福祉共済協同組合の蝦名です。
年々ニーズの高まっている「使用者賠償責任保険」とは、どのような保険かご存じでしょうか?
自分の会社は「使用者賠償責任保険」の加入の必要があるのか、加入するとどのような補償が受けられるのか、気になる方も多いと思います。
そこで今回は使用者賠償責任保険について、内容から加入時の注意点まで、詳しく解説いたします。
使用者賠償責任保険の必要性を判断するうえの参考としていただければ幸いです。
使用者賠償責任保険とは、従業員(労働者)が業務上の災害などによって心身に障害を負い、企業(使用者)側に責任があるとして損害賠償責任が発生した場合に備えるための保険です。
従業員が業務上の災害によってケガや病気になると、労災認定を受けることとなります。
そして、その労災認定において使用者側の安全管理などに問題があるとされた場合、企業は従業員に対して法律上の損害賠償責任を負うことになり、従業員またはその遺族に対して損害賠償金を支払うことになります。
「労災保険で支払えば良いのでは?」と思うかもしれませんが、労働者災害の発生によって支払われる損害賠償金は高額になる場合が多いです。
そのため、労災保険からの給付金では不足する場合も珍しくありません。
そのようなときに役立つのが「使用者賠償責任保険」です。
使用者賠償責任保険の仕組みは、車でいう加入を義務付けられている自賠責保険と、任意保険の自動車保険の関係と同じイメージです。
損害賠償金のうち国の制度である労災保険(自賠責保険のイメージ)で支払えなかった部分を、使用者賠償責任保険(任意の自動車保険のイメージ)で補うことになります。
また、使用者賠償責任保険は労災保険からの給付の不足分を補うだけではなく、裁判の訴訟費用や和解金なども支払いの対象になります。
使用者賠償責任保険に入るべきか、その必要性を次で詳しくお話ししていきましょう。
使用者賠償責任保険が必要な理由は、3つあります。
「労災保険に入っているから大丈夫」と思われるかもしれませんが、労災保険だけではカバーしきれないケースもあるので、以下で見ていきましょう。
近年ではケガによる労災事故だけでなく、過労に起因する死亡や後遺障害が増加してきており、損害賠償金額が高額になる場合があります。
損害賠償金額の決定については、労働者の過失や使用者の違反行為などの度合いにより変わりますが、逸失利益・慰謝料等が高額化すると数千万円以上となることがあります。
労災保険では、逸失利益や慰謝料等は補償されないため、このような高額な賠償金額を賄いきれず、使用者賠償責任保険の必要性が出てくるのです。
使用者賠償責任保険には、労災保険で支給されない慰謝料、逸失利益のほか、示談金・弁護士への相談費用なども補償範囲に含まれているものもあります。
労災事故が起こってしまった際の企業の対応は重要です。
特に、金銭的な対応が必要となった場合、対応を一歩間違えると問題がこじれ、信用問題に発展することがあります。
その結果、インターネットやSNSでの批判や悪評の拡散、風評被害による売り上げの低落、最悪の場合、倒産にまで追い込まれてしまうケースも考えられます。
高額な損害賠償金を急に用意することは難しいですが、使用者賠償責任保険によって適切な対応を素早く行うことができます。
使用者賠償責任保険に加入する際、注意すべきポイントがありますのでご紹介します。
ポイントを押さえて、適切な保険に加入しましょう。
保険契約を締結する際には、保険金額を設定する必要があります。
保険金額は使用者賠償責任保険の支払限度額なので、保険金額を高く設定すれば高額の損害賠償に対応できます。
しかし保険金額が高くなればなるほど、支払う保険料も高額になるので注意が必要です。
企業リスクに備えるために、すでに労災保険に上乗せした保険や共済(いわゆる「労災上乗せ保険」)などに加入している場合もあると思います。
企業が損害賠償責任を負った場合、国の労災保険や労災上乗せ保険からの給付額を差し引いた金額が企業の実質負担額となり、その実質負担額に対して使用者賠償責任保険からの給付が行われることとなります。
上記「1.保険金額の設定」でもお伝えしましたが、保険金額が高くなればなるほど、支払う保険料も高額になります。
そのため、もしすでに加入している労災上乗せ保険があるようであれば、使用者賠償責任保険を過大にかける必要はないとも考えられます。
使用者賠償責任保険とは、従業員が労災事故で心身に障害を負い、会社側に責任があるとして損害賠償を求めてくる際のリスクや、その費用から会社を守る保険です。
近年、過労による死亡や高度障害が増加してきており、損害賠償額も数千万円超えと高額になってきています。
そのため労災保険だけでは賄えきれず、使用者賠償責任保険の必要性が高まっているのです。
また、使用者賠償責任保険は、賠償金額の足りない部分を補うだけでなく、補償範囲も慰謝料や示談金などと幅広いです。
使用者賠償責任保険に加入する際は、保険会社によって補償内容が異なるため、自社に必要な内容を精査しましょう。
保険金額の設定は高くすれば高くするだけ、高額な賠償金額に対応できますが、その分保険料もあがるので注意が必要です。
そしてすでに労災上乗せ保険に加入している場合は、使用者賠償責任保険を過大にかける必要はないと考えられます。
高額になりつつある賠償金額請求のリスクをカバーできる「使用者賠償責任保険」。
今の時代、必要性の高い保険ですので、ぜひ加入を検討してみてください。
神奈川県福祉共済協同組合では、神奈川県の中小企業の方に向けて「労災費用共済」をご用意いたしております。
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